目がかゆいとき、こするとよくないのは分かっていても、ついこすってしまいがちです。しかし、目をこすると、目のかゆみや充血、まぶたの腫れなどを引き起こしてしまいます。このような症状を抑えるにはどうすればいいのでしょうか。
目がかゆくなる仕組みは?
花粉症による目のかゆみは、空気中の花粉が結膜に付着することで現れます。結膜とはまぶたの裏側から目の周囲までの粘膜を指します。結膜には「肥満細胞」と呼ばれる細胞があり、これには体に入ってくる異物を取り除こうとする働きがあります。
肥満細胞は体を守るためにリンパ球から抗体を作り、異物とみなした花粉の進入に備えます。抗体をまとった肥満細胞に再び花粉が付くと、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。これによって目のかゆみや充血などの症状が現われるのです。
日常生活でできる予防(セルフケア)
例年、1月あたりから天気予報で花粉の飛散状況を知ることができます。こまめにチェックして、花粉飛散に備えましょう。花粉の飛散は気温の変化で開始時期が決まるため、住んでいる場所によって飛散開始時期が異なります。温暖な気候の九州では早めに飛散し始め、その後、関西、関東、東北、北海道の順に飛散が始まる傾向にあります。外出の際には、マスクやメガネをお忘れなく。マスクは肌と隙間が空かないように密着させて装着するのがコツです。メガネは花粉症対策用のフチが付いた、ゴーグルタイプが効果的です。
衣類は、花粉がくっつきやすいウール地のものは避けたほうがよさそうです。反対に、ナイロン地のコートなどは花粉が滑り落ちやすいため、オススメです。帰宅時には家に入る前に、外で衣類の表面を手で払うようにしましょう。手洗い、うがいも大切です。
室内の対策では空気清浄機の使用や、洗濯物の室内干しを推奨します。また体の調子を整えるために、規則正しい生活習慣とバランスのよい食事を心がけましょう。
目のかゆみを和らげたいときの対処法
目がかゆいからといって何度もこすったり、強く叩いたりしてしまうと、目を傷つけてしまうことにもなりかねません。目がかゆくなってしまったときは、とにかくこすらないことが大切です。かゆみを和らげるのに効果的なのは水でタオルを濡らして目に当てること。濡らしたタオルに保冷剤を入れて、10分程度安静に過ごすと、冷却効果で目のかゆみを和らげることができます。
早めに医療機関を受診しましょう
花粉症による症状を抑えるためには、日常生活でできる予防策をしっかりとること、間違った対処法を避けること、そして早めに治療を開始することが重要です。花粉シーズンに突入する前に、早めに医療機関を受診して、自分に合った薬を処方してもらいましょう。